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カルチェ 時計

(2013/10/30 Wed)
え?」
「ちょっと見ただけでも、すごくいい娘で、おまけにあなたを本当に好きなんだってわかるわ。同じ女だから。それに、あなたがこの娘に惹かれるのも、何だかわかる気がする。この娘の笑顔を見ていると、何だかほっとするもの。きっとこの娘の正直な笑顔が、あなたの心の奥にある棘を抜いてくれたのね」
「……」
 本当に、そうだな。この娘のその笑顔に、何度救われたか。
「もしかして、今まで雌伏生活をしていたのは、この娘を置いていきたくなかったから――っていうのもあるのかしら」
「……」
 どうだろうな。少なくとも数学オリンピック関係が落ち着くまで、丸1ヶ月彼女と会えなかった時は、さすがに心が痛んだ。帰ってきてから、マイに「シオリも無理している。あなたが有名になることで、私のことを置いていっちゃうんじゃないかって悩んでるよ」とも言われたし。
「そんなあなたに、ユータのことをお願いするのは酷かなぁ。でも、前向きに検討してくれない? 大会まであと1ヶ月で、そんなに時間はないけれど……お願い」


「ん…カルチェ 時計
…」
 シオリが顔を上げる。
「起きたか?」
 僕は顔だけ後ろを振り向く。
「え……え?」
 シオリは今の状況を見て、当惑する。
「あ、暴れないで」
 僕はシオリを制する。
 今僕は、シオリを背負って、夜の誰もいない街を歩いている。既に電車で所沢駅から、僕の故郷、川越に戻って、今はシオリの家に向かって歩を進めている。勿論、来た時に付けていたカツラを被って。おまけに絶対に正体がばれないように、ユータの母に分厚い化粧まで施された。鞄はユータの家に置いて、明日ユータが学校に届けてくれるらしい。右手で僕はシオリのパンプスを持っている。
「う……」
「頭、痛いのか? それとも気持ち悪い?」
「――ううん、平気……」
 シオリは状況を察したようで、僕の背中に体を預け直す。
「ねえ、私――眠ってたんだよね……どのくらい寝てた?」
「一時間半くらいかな。今は夜の10時半位だ」
「そう……」
 シオリの息遣いが、すぐ後ろでで聞こえて、何だか艶かしい。さっきからしおりの胸のふくらみを、背中に感じているし。
「――私、酔ってたの?」
「―カルティエ ブレスレット
―覚えてないのか?」
「……」
 シオリは押し黙る。きっと今は、あらぬ自分の姿を想像して、酔った時と同じくらい、顔を真っ赤にしているだろう。
「君は大学に行っても、酒を飲まない方がいいな」
「――どんな酔い方してたの? 私……」
「別に普通だよ。深く眠っていただけ」
 ユータ達にもきつく口止めしておいた。どうやらシオリも、酔って僕の家族のことを口にしたわけじゃなかったようだし、誰も心配しないでいいためには、これが一番いい。
「うぅ……」
 何か硬いものが、僕の首にこつんと当たった。どうやら僕の背中に、自分の顔をうずめて顔を隠したようだ。
「―時計 ブランド
―ごめんなさい」
 くぐもった、彼女の声がした。
「いいよ別に。それより家族に酔ったところを見せないでくれ、じゃないと僕、君の親に殺されちゃう」
 はは、と軽く笑うと、暗い道で目を引く、明るい自動販売機があった。
「何なら酔い覚ましに、お茶でも飲むか? 欲しいなら……」
 そう言い掛けて、言葉が止まる。
 シオリが僕の首に両手を掛けて、ぎゅっと力を込めてきたからだ。シオリの顔が、僕の肩に乗り、僕の頬が彼女の頬に触れ、彼女の髪のいい匂いがした。
「ごめん――家に着いたらすぐ離れるから……苦しいかもしれないけれど、しばらくこうしてて、いい? 何か、今日はあなたと離れがたくなっちゃって……」
「……」
 それは僕も同じだ。こう




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完全に出来上がっちゃって

(2013/10/30 Wed)
んだが、どうやらめちゃくちゃ弱い上に、じわじわ効いてくる体質みたいでな――気が付いたら、完全に出来上がっちゃって」
 ユータが頭を掻く。
「シオリって、語り上戸みたいよ。さっきまでサクライくんの何が好きなのかとか、ずーっとおのろけを喋ってて、もうお腹一杯だわ」
 マイが僕を見てニヤニヤした。
「な……」
「ケースケくん!」
 腕にしがみつかれたまま、強い口調でシオリから名前を呼ばれた。
「私を置いて、もうどこにも行かないよね!」nike running

 怒っているような口調。
「は……」
 上目遣いで、お互いの顔はもう20センチも離れていないが、シオリの吐息はちっとも酒臭くない。だけど顔は首や耳まで真っ赤だ。
「ケースケくん……」
 間近に迫った顔で、名前を呟かれる。
「……」
 やばい、可愛い。
「酷いよ――よそででれでれしちゃってさ……」
 そう呟くと、今度はぽろぽろと涙を流し、僕を睨んで泣き出した。
「な――ちょ、ちょっと」
 傍で当惑する僕を見て、ユータ達は大いに溜飲を下げたような表情だ。これから僕のこの様を肴に飲み直そうという顔をしている。
「私だって、吹奏楽部の友達に、色々言われてるんだよ? 半年付き合ってて、キスもしてないとか……でも、触れるのだって、なんか怖いんだよ……気持ち、抑えられなくなりそうで、メンズ スニーカー
怖いんだよ……」
「……」
 僕がしばらく呆然としていると。
 いきなりシオリの足元が、がくりと崩れ落ちた。僕の腕からずり落ちるようにへたり込むシオリを、僕は腕を伸ばして背中に手を回して、抱きかかえるように支えた。
 顔を見ると、シオリは赤い顔のまま、小さな寝息を立てながら、眠ってしまっていた。
「……」
「何か、すげぇ酔い方だな」
 ジュンイチが言った。
「泣く、笑う、語る、絡む、寝る――全部出ちゃったぜ」
「だけど、どんなに酔ってても、ケースケくんのことばっかりなのね」
 マイが笑う。
「シオリがこんなに男の人を好きになるなんて……おとなしそうな顔して、心の中は情熱的なのかもね」
「……」
「しかし、幸せそうな寝顔だな。よっぽどお前の腕の中の居心地がいいのかな」
 ユータが言った。
「正直うらやましいぜ。ナイキ ハイカット
そんな可愛い娘が、そこまでお前を想ってくれるなんてよ」
「……」
「さあさあ、あんた達は下がりなさい」
 ユータの母がユータ達をリビングへ追い返す。
「ケースケくん、とりあえず布団を用意するから、シオリさんを寝かせておいてあげましょう」
 ――そう言われて、僕は別室でシオリを敷布団の上に寝かしつけ、掛け布団を掛けた。普段の勉強合宿でも、白河夜船になったユータとジュンイチを布団まで背負って運ぶのは僕の役目だから、割と慣れたものだ。
「うーん……」
 シオリは気持ちよさそうに眠っている。飲んだ量もそれほどじゃないと想うから、すぐに正気に戻るだろう。
 というか戻ってくれないと困る。シオリも今日はユータのプロ初ゴール記念のパーティーだと言って家を出ただろうし、まさか男の家に泊めるわけにいかないし。おまけに未成年の嫁入り前の娘をこんなに酔い潰したとあっては、もう彼女の親に合わせる顔がない。
「……」
 だけど、やっぱり彼女の寝顔は愛らしくて。
 僕は、彼女の赤くなった額――寝かしつけるときに少し乱れた彼女の前髪を、手を伸ばして少し直した。
「幸せそうね、あなたも」
 布団を用意してくれたユータの母が僕を見て言った。この部屋は、今3人しかいない。
「久しぶりにあなたに会って、随分今までよりも表情や雰囲気が柔らかくなっていると思ったけれど、この娘の影響かしら」





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君しかいないと信じている

(2013/10/30 Wed)
が――少なくとも私は、ユータの力を最大に引き出せることが出来るのは、君しかいないと信じている」
 そう言うと、今度はユータの父が、ソファーの前のテーブルに三つ指立てて、僕に深々と頭を下げた。
「頼む。あいつに力を貸してやってくれないか」
「……」
「こう言ったら、気分を悪くするかもスニーカー 通販
しれないけれど、あなたのためにも、いいと思う」
 ユータの母が今度は口を開く。
「あれこれ悩んで解決法を模索するよりも、何も考えずに思い切り体を動かす方がいいって言う時もあると思うの。今のあなたはきっとそうなんじゃないかしら。今までおとなしくしていた分、派手に大暴れしてみるのもいいんじゃないかしら。大舞台で活躍すれば、自分に自信を持てるようになるかも知れないし。何よりお金がもらえるわ。勝ち進めば、多分大学で4年間勉強するくらいの学費は楽に稼げるんじゃないかしら」
「……」
 僕は目を丸くした。
「――何て言うか、意外です。あれだけユータがプロになることに反対していたのに」
 そう、この両親は、ユータを大学に行かせたがっており、プロ志向のユータと意見が衝突していた。その長い戦いを旗で見ていた僕は、今の両親の反応が意外だった。
「確かに、高校に入る前のユータのままなら、今も反対していたわ」
 ユータの母が言った。
「でも、高校であなたに出会って、あの子も変わったからね。好き勝手にサッカーをやるだけじゃなくて、チームのために何が出来るかとか、仲間の大切さとかが身に染みてわかったような気がするし、何より一人でやっているようだったサッカーが、今ではすごく楽しそうだもの。これならプロになって、サッカー漬けの人生になっても、続けていけそうな気がしたの。今まで付き合った女の子みたいに、簡単に投げ出して簡単にポイするような気持ちでプロにさせられなかったからね」
「……」
「はじめユータが埼玉高校に行くって言った時は、正直悪い冗談だと思ったけど、本当に私は、あなたが埼玉高校にいてくれて――おまけに甲子園球児レベルだった野球を捨てて、素人なのにサッカー部に入ってくれて、本当に感謝してるわ。ありがとうね」
 今度は母が僕に頭を下げる。スニーカー レディース

「いえ、そんな」
「だから、もう一度だけ、力を貸して欲しいの。あなたなら、世界大会で、セカイのクラブチームの前で、あの子の力を引き出して、あの子を世界中に売り込むことが出来るでしょう? あの子の長年の夢のために、あなたの力を貸して欲しいの。親バカかもしれないけれど、私達、あの子がプロになった以上、あの子の夢を応援したいの。この世界大会、あの子の夢にとって、これから大きなターニングポイントになる気がするの」
「……」
 沈黙。
 その時、コンコン、という音がした。
 誰かがこの応接間のドアをノックしているようだ。
「ケースケくぅーん……」
 鼻にかかる甘い感じの声――シオリの声だ。でも何だか様子がおかしい。
「ちょっと失礼します」
 僕は席を立ち、二人の横を通り過ぎて、応接間のドアを開けた。
 ドアを開けると、そこには目を潤ませながらも、ニコニコ顔のシオリがいた。
「うふふ……」
「どうしたんだ?」スニーカー 人気

「ケースケくーん」
 いきなり腕に抱きつかれた。
「え……」
 普段おとなしいシオリは、手を握ることさえ遠慮がちなのに、まさかこんな大胆な行動に出るなんて思わなかった。僕は当惑する。
 折節、ユータ達が3人でこちらにやってくる。
「あ、いたいた、シオリさん」
 ジュンイチが赤ら顔でふらふらしながら言った。
「お前達、シオリさんに飲ませたのか?」
「いや、薦めてはいない




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誰にも見せたことがない。

(2013/10/25 Fri)
珍しい僕が、これだけエキサイトする姿など、誰にも見せたことがない。
 皆、僕がユータに勝つことなど予想していなかったのだろう。そういう認識を、クラスメイトは僕に持っていたのだ。『決して一番にならない男』――僕はそういう評価をされていたんだ。それは前から僕自身もわかっていた。
 次の試合が始まっていた。呼吸が落ち着くと、体育館を出て、上のジャージを脱ぎ、近くにあった水飲み場の蛇口をひねる。静かに流れる柔らかな水流で、軽く手を濡らしてから、手桶で顔を洗い、蛇口を最大にひねり、激しい水流の下に、湯気を出しそうなくらい火照った頭を無造作に突っ込んだ。
 秋の水は冷たい。頭が一気に冷めていく感じが好きで、僕は汗をかいた後よくこうする。
 頭を上げ、振ってみる。飛沫が僕の髪の毛から飛び散った。それでもまだ、髪の毛の先や、顎から水が滴っていた。僕は両手で前髪をかきあげて、水を落とした。裸の上半身に、水滴がついた。
 頭が冷めると考えがしっかりしてきた。僕は水飲み場近くの石畳に座り先ほどの試合を反芻する。
 しかし思い返してみると、ユータに勝ったのに、気持ちはまったく晴れやかではなかった。湧き上がるのは、オメガ シーマスター
怒気にも似た、焼け付くような感情だけだ。アドレナリンが体の中で、伝達する場所を間違えた感じ――僕の精神は酷く掻き乱れていた。
 恐らく、僕は心のどこかでユータを憎悪しているんだろう。いつも僕の上にいて、どうしても追い抜けない存在だった彼のことを。
 あいつさえいなければ僕は一番だった。幼い感情だ。そして、心のどこかでもうわかっている。この小さな体では、僕は絶対にユータには敵わないことを。
 わかっているが、それを認めると、自分はこれ以上、先に進めないような気がして……
「……」
 水飲み場に手を突っ伏して、深く息を吸い、気持ちの浄化に勤めた。目を閉じて、思考をなるべく空っぽにしようと心がけ、深い深呼吸を繰り返していた。
「サクライくん」
 背中から女子の声がした。僕は目を開けて、気持ちの落ち着かないまま、オメガ シーマスター アクアテラ
声の方向を向くと、ジャージ姿のマツオカシオリがいた。隣のコートであの試合を見ていたのだ。前で手を組んで、少しもじもじしている。恐らく僕の格好のせいだろう。
「こんな格好で、失礼」
「ううん、いいの」
 僕は急いでまだ汗だくのジャージを着た。本当はしばらくここに置いて、髪がもう少し乾いた頃に着たかったのだけれど、女の子の前で裸でいるわけにもいくまい。
 ジャージに袖を通している時に、シオリが言った。
「驚いちゃった。サクライくんって、何でも上手なんだね」
 僕はジャージから頭を出す。
「わざわざそんなことを言いに来たのか」
 言ってから、明らかに言葉の選択ミスだと気付いた。チャンルー
まだ気持ちの整理が終わっていなかったので、いくら平静を装ったつもりでも、心の奥のものまでは隠しきれていない。自分の口から出た言葉が、ぬるま湯の中の氷柱のように、後から冷たさを感じさせていた。
 しかし、シオリのさっきの言葉も、次に言いたいことの枕詞のようなニュアンスだった。僕をおだてに来たわけではないだろう。それはこういう駆け引きに苦手な僕でもわかった。
「どうしたの? 今日」
 シオリがおずおずと僕に訊いた。
この切り出し方は、きっと僕にとって、あまりいい話ではないだろう、と、僕は悟ったが、だからと言って、無視するわけにもいくまい。
「――どうしたって?」
袖を通しながら、僕は訊き返す。
「その……」
彼女は、懸命に言葉を捜そうとしている。
「いつもの……サクライくんらしく、ないなぁ、って、思




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ユータが勝つに決ま

(2013/10/25 Fri)
二人はジャンプするが、ユータが勝つに決まっている。ユータが叩いたボールは、僕のチームの陣地に飛ばされた。
 自軍寄りにポジションを取って、正解だった。僕は飛んできたボールを手を伸ばしてインターセプトして、そのまま自分で敵陣に切り込んだ。
 サッカー部でも僕の持ち味は運動量と加速力だ。既に前にいた二人を振り切っていた。着地したユータも、大きく引き離され、僕のスピードにはついて来れない。僕はゴール下まで潜り込み、センターに立っている一人をわずかにかけたフェイクで惑わせてかわし、レイアップシュートを決めた。
 イイジマのホイッスル。得点係についた男子が僕のチームの得点を2枚めくった。僕はすぐに自軍に戻る。勿論僕はユータをマークする。
「ケースケ、今の速攻、マジ速かったぜ」チャンルー メンズ

 ユータは僕を振り切ろうとしながら、笑って言ったが、僕は答えなかった。
 ユータのチームの一人が投げたスローインは、ロングスローでユータの所に来た。それはある程度読めていたので、僕は前に出て、ボールをジャンプしてインターセプトした。すぐに僕の前にユータが回りこむ。僕は間髪入れずに素早くターンし、ユータをかわした。
 あっ、という、ユータの感嘆の声が後ろでした。ゴール下には二人がいたので、僕はスリーポイントを打った。ボールは高く――ディフェンスの頭を超え、すぱっ、という、快い音がした。ギャラリーがどよめいた。
 今度はユータはスローインをもらいに行った。ボールを受け取ると僕が前につく。
「ケースケ、ずいぶん飛ばしてるじゃん」
 ユータは半見でドリブルしながら僕に言った。
しかし僕は間髪入れずに前かがみになって、チャンルー 店舗
ユータの体で隠れるようになって弾んでいるボールに手を入れた。
「おっと!」
 今度はユータが背中方向にターンし、僕の手をかわした。僕を尻目に、すぐにユータは速攻する。僕は半回転して、右足で踏ん張って体を止めて、全力で追いかける。
 僕とユータでは、身長は25センチも違う。足の速さもユータが若干上だ。しかし、ユータは今、不慣れなバスケットボールを操っている。追いつける。
 ボールを扱っていない分、僕は素早くユータの前に回り込み、体を入れる。基本的に所作はサッカーと同じだ。軽量だけど足腰の強さには自信がある。僕はチーム内の誰にも、競り合って負けたことはなかった。ユータも体勢を崩したが、僕が軽すぎるせいか、ユータはびくともしない。
 ボールを持ったまま、ジャンプを強行した。僕も同時にジャンプして、手を伸ばした。ボールには届かなかったが、お互い無理な体勢でのジャンプで、空中でバランスを崩した。ユータは手首だけでボールを投げたが、足首よりは不器用で、当然入るわけもない。バランスを崩したユータは、僕と一緒にエンドラインへ倒れこんだ。ホイッスルが響く。
「ディフェンスファウル! ユータのフリースローな」
 僕とユータは重なり合って倒れ、まだ起き上がらないまま、その判定を聞いた。
 ユータは先に起き上がり、僕に手を差し伸べて僕を起こすとチャンルー 偽物
、僕の肩を叩いた。
「いてて……今のはイエローカードものだぞ」
Enemy

 試合は20対14で、僕のチームが勝利した。コート外に戻る僕は既に精魂尽き、体育館の壁に寄りかかり、そのままぐったりと足を伸ばして座り込んだ。頭に持参していたアディダスのスポーツタオルをかける。20点全て僕が取り、相手の得点も全てユータがあげたもの。結局、僕とユータ、二人だけの試合だった。
 タオルを頭にかけて見えなかったけれど、ギャラリーが僕を見ているのがわかった。普段は感情を表に出すことも




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